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コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(7)【参考例あり】

2016.11.7
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遺言書では、付言事項(ふげんじこう)として、法律にしばられることなく自由に自分の気持ちを書いて残しておくことができます。

自分の死後、献体を希望している場合には、家族や親族の気持ちを考え、トラブルなくスムーズに手続きを行うことができるように、付言事項に自分の気持ちを残しておくとよいでしょう。

献体について

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献体とは、医学・歯学分野の解剖学の教育や研究のために、自分の死後の遺体を提供することです。その提供は無条件・無報酬となります。

献体を実際に行うためには、事前に献体の登録と申し込みをする必要があります。生前に行う献体の登録には、原則として肉親の同意が必要になります。

肉親の範囲は、登録先の大学によって範囲は多少異なりますが、親、兄弟姉妹、配偶者とされていることが一般的です。実際に遺体を献体するときにも、肉親の同意が必要になります。

通常は、死後、遺体は葬儀を終えると火葬場へ向かいます。

しかし、献体が行われる場合には、火葬場ではなく献体先の大学へ運ばれます。その後、防腐処理が行われ、長期間にわたり解剖が行われます。解剖が終わると、大学側が火葬を行い、遺骨が家族に返還されますが、遺骨は1年から2年、長い場合には3年以上の間戻ってきません。

献体について付言事項に記載したほうがよい理由

献体を行うには、事前手続きと実際に献体を行う際に、肉親の同意が必要です。事前に登録や申し込みを行うときに、肉親の同意が得られていたとしても、あとになって、やはり大切な家族の遺骨が他人に解剖され、遺骨が長期間戻ってこないことに不安になる方もいらっしゃるでしょう。

実際に献体を行うときにも、肉親の同意が必要ですので、同意を得ることができないと献体を行うことができなくなってしまいます。

また、献体を希望する気持ちが伝わっている肉親以外の家族や親族は、解剖や遺骨が長期間戻ってこないことを受け入れることができないかもしれません。

できれば、家族や親族には生前に自分の献体希望の気持ちをきちんと伝えて、理解を得ておくとよいのですが、気持ちを伝えることができなない場合や、理解が不十分な場合もあります。そのような場合にそなえて、遺言書に自分の気持ちを残しておくと、家族や親族が、亡くなった人の気持ちを理解し、献体に協力することができ、手続きもスムーズにすすむのではないでしょうか。

献体についての付言事項の具体例

献体を希望する場合の具体的な付言事項の例をご紹介します。

私は、死後に身体を医学の発展に役立たせたいと希望し、〇〇〇大学に献体したいと思っています。事前に、献体登録もしてあります。登録の際に必要な肉親の同意には、妻○○の同意を得ています。献体後の遺骨については、妻○○に引き渡してください。

妻〇〇は、私の気持ちを理解し、協力してくれてとても感謝しています。ありがとう。私の死後に必要な同意についても、よろしくお願いします。献体は、私の強い希望です。私の死後、速やかに献体の手続きが行われることを願っています。

献体についての付言事項のポイント

死後の遺体の取扱いは、一人ひとりの価値観や宗教概念によっては、デリケートな問題です。献体に同意した家族が、あとから他の家族や親族とトラブルにならないためにも、献体を希望する場合には、付言事項として自分の気持ちを残しておくことをおすすめします。

献体を希望する付言事項は、まず、自分の遺体を医学に役立たせたいことを書くとよいでしょう。また、事前の手続きに協力してくれた家族への感謝の気持ちも残しておくと、家族が安心して献体に協力していけるでしょう。

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