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コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(6)【参考例あり】

2016.7.25
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付言事項は、法定遺言事項以外の内容で、法的拘束力はありませんが、自分の気持ちを自由に書くことができるものです。付言事項を書いておくと相続人に自分の気持ちを伝えることができます。

今回は自分の死後に臓器提供をしたい場合付言事項について、例をあげながら解説したいと思います。

臓器提供の方法

臓器提供

臓器提供は、脳死後あるいは、心臓が停止した死後にできます。

自分の死後に臓器提供をしようと思ったとき、臓器提供の意思表示を示す方法は、日本臓器移植ネットワーク(https://www.jotnw.or.jp/)によると、以下の3つの方法があります。

  1. インターネットによる意思登録
  2. 健康保険証等の意思表示欄への記入
  3. 意思表示カードへの記入

臓器提供は本人の意思が尊重されます。本人の意思が不明な場合でもご家族の承諾があれば臓器提供ができますが、ご家族にとっては、死亡された方の臓器提供はとてもデリケートな問題です。

臓器提供をしたい場合には、上記の意思表示のほかに事前に家族と話しあっておくことが大切です。

遺言書での臓器提供の意思表示

臓器提供の意思表示は遺言書でもできます。遺言書で行う場合には付言事項に記載をします。

遺言書は、遺言を書いた人の死亡後に開封されるものですが、臓器提供は死亡後に速やかになされる必要があります。

したがって、臓器提供を確実にしたい場合には、遺言書での意思表示だけでなく、「臓器提供の方法」に示した方法で意思表示を行い、事前に家族と話し合っておくことが大切です。その上で遺言書の付言事項に、臓器提供についての記載があれば、残された親族も納得することができるでしょう。

臓器提供の付言事項の例

臓器提供の意思表示は、意思表示カードの記入などで行うことを前提として、ここでは残された相続人に臓器提供の意思表示を示し相続人に伝えることを目的とした付言事項の例をご紹介します。

私○○は、臓器の移植に関する法律等により脳死及び心臓が停止した死後、移植のために必要な臓器を提供することを希望します。臓器提供は私の強い希望であり、臓器提供意思表示カードへの記入をし、家族とも相談して決めました。家族の皆は、私の臓器提供の希望を聞き相談にのってくれ、また必要な手続きを調べてくれ、とても感謝しています。

私の死後、速やかに臓器提供が行われ、臓器提供が必要な方の役にたつことを願っています

臓器提供の付言事項のポイント

臓器提供の意思表示を遺言書だけで行うと、遺言書を開封したタイミングによっては、迅速な臓器提供ができないこともありますので、まずは遺言書以外で臓器提供の意思表示をし、家族からの理解を得ておくことがポイントとなります。

臓器提供は、死とは何かという概念や宗教観などさまざまな議論がなされるデリケートな分野です。このことから、臓器移植後に開封されるかもしれない遺言書であっても、付言事項で自分の意思を相続人に伝えることで、臓器移植の手続きをすすめた家族にとっては心やすらぐメッセージとなるのではないでしょうか。

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