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コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(5)【参考例あり】

2016.5.12
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付言事項は、遺言書の中で、法律にしばられることなく自由に文章を作成できる部分です。

遺言書を開封するときには、遺言が財産の分配にかかわってくることから、重い雰囲気が流れることも少なくありません。そんな場合に、付言事項が記載してあると、故人の気持ちを関係者に伝えることができ、関係者は、故人の遺志を実現してあげたいという気持ちを持つことができるでしょう。

今回は、相続の中でも争いの場面となりやすい、相続人に養子と実子がいる場合についての付言事項の記載例をご紹介したいと思います。

※以前の記事はコチラ

妻に全財産を残したいときに(遺留分の権利行使をさせない手段として)活用するケース

献身的に介護をしてくれた長男の嫁に財産を遺贈したいケース

家業である会社の経営権を長男に相続させたいケース

自分の葬儀の方法について思いを伝えたいケース

養子縁組がトラブルになりやすい理由

付言事項_養子

相続対策を行う場合に、養子縁組を検討するケースがあります。

法定相続人の人数を計算する場合、養子縁組をすると、実子がいる場合には養子1名まで、実子がいない場合には養子2名まで法定相続人の人数を増やすことができます。

このことで、相続税の基礎控除額がアップし、死亡保険金死亡退職金の非課税枠も増えますので、節税対策になります。

しかし、養子が増えることで養子の遺留分が発生するため、実子がいる場合にはトラブルになる場合もあります。

相続対策のために養子縁組を行う場合、事前に実子の理解を得ておくと良いでしょう。

孫を養子縁組した場合

よくあるケースのひとつとして、孫を養子縁組した場合の付言事項の記載例をご紹介します。

私は、妻の○○に支えられ、長男○○、長女○○にもめぐまれ、とても幸せな人生を送ってきました。

特に、長男○○は同居に同意してくれ、長男○○の嫁○○、孫の○○と楽しい老後を送ることができました。みんなと一緒に行った旅行や、学校行事などはとても大切な思い出で、今こうして思い浮かべるだけで幸せな気持ちになることができます。

最近では体を悪くしてしまったことから、妻の○○や長男の嫁○○には、介護の苦労をかけてしまって大変申し訳なく思うとともに、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとう。

長女○○も、他家に嫁いでからも何かと実家を気にかけてくれ、こまめに連絡をしてくれたり訪ねてきてくれたりして、そのたびに幸せな気持ちになりました。

事前に長女の○○には話したとおり、先日、孫の○○を私の養子にしました。

というのも、学生のときはやんちゃ放題だった孫○○は、社会人になってから真面目に会社に勤め、積極的に私の介護を気にかけてくれ、仏壇やお墓の管理も手伝ってくれるようになり、まるで私の子供のように思えるようになってきたからです。

このことがもとで家族がもめることのないよう、今後もみんなで力をあわせて家族同士支えあっていってほしいと思います。

家族が仲良く協力しあって笑いあう姿を見るのが、私の何よりの幸せでした。これからも、みんなの笑顔が続くように願っています。

養子にした孫に対する愛情を具体的に記載するとともに、実子に対する感謝や愛情もていねいに記載しておくことがポイントです。

このことで、実子と養子の間の不要なトラブルを避け、ご自分の家族に対する愛情を伝えることができます。

養子縁組行う理由は、節税対策のためだけではなく、やはりそのもとには愛情や感謝の気持ちがあるわけですので、愛情や感謝の気持ちを自分の気持ちとして残しておきましょう。

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