相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(4)【参考例あり】

2016.3.22
文字サイズ:

付言事項(ふげんじこう)」とは、遺言書に書く内容の他に、自由に気持ちを書き記すことができる事項であることは、前回までで説明した通りです。

今回は、自分の葬儀の方法についての付言事項について考えてみます。

※以前の記事はコチラ

妻に全財産を残したいときに(遺留分の権利行使をさせない手段として)活用するケース

献身的に介護をしてくれた長男の嫁に財産を遺贈したいケース

家業である会社の経営権を長男に相続させたいケース

葬儀方法の付言事項を記載する理由

桜セピア色

葬儀は、昨今では生前葬というものもありますが、やはり死後に行われることがほとんどです。

葬儀は、宗教観や価値観によって、どのように行うか大きく違ってくるものです。身内だけの葬儀にしてほしい、散骨してほしいなどの希望がある場合もあります。

葬儀の方法をめぐり、親族間でトラブルになることもあります。

生前からできるだけ、ご家族に希望を伝えておくことが望ましいのですが、生前には葬儀の方法については、現実味がなく、話しづらいとお考えの方も多いようです。

トラブルを避け、ご家族が葬儀方法について迷わなくてもよいように、付言事項として記載しておくと良いでしょう。

葬儀方法について記載することの効力

葬儀の方法については、遺言書に記載したとしても、遺言事項ではないため、効力はありません。つまり、記載されたとおりに葬儀を行わなくてもよく、残されたご家族が葬儀の方法を決定することができます。

しかし、付言事項として記載しておくことで、ご家族や親族に、自分の気持ちと、その理由を伝えることができます。

葬儀方法を付言事項とする場合の注意点

葬儀方法を付言事項として記載し、希望どおりの葬儀を行ってもらうには、遺言書は、葬儀方法が親族により決定される前に、開示されなければなりません。

通常は、死亡直後に遺言書が開示されるわけではありません。

生前から、遺言書の保管場所を明確にし、死亡直後に開示してほしい旨を伝えておくとよいでしょう。また、葬儀方法については、遺言書付言事項としてだけではなく、エンディングノートを作成して希望を記載しておくのも良い方法です。

葬儀を身内だけで行ってほしい場合

よくあるケースのひとつとして、葬儀を身内だけで行ってほしい場合の付言事項の記載例をご紹介します。

私が死んだ後、私の葬儀については、できるだけ簡素にしてください。

妻に先立たれた後も、長男夫婦が私の世話をしてくれたので、私は孫の面倒をみながら悠々自適を送ってきました。たいへん感謝しています。

しかし、私が死んだ後の葬儀のことを考えると、私には親族が多く、親族の信じている宗教もさまざまであるため、みなで私の葬儀方法について話し合って決めるのは大変です。

また、私は会社を長男に任せたあとも、アドバイザーとして会社に携わってきましたので、私の葬儀となると会葬者が多くなるかもしれません。

私としては、通夜・葬儀・告別式ともに家族葬にし、親しい身内のみの葬儀を望んでいます。

私が不自由のない引退生活を楽しんでいられるのも、家族や会社の者が私を気にかけ、良くしてくれるからだと感じており、葬儀のことなどで気苦労をかけたくないのです。

身内だけで葬儀を行うことは私の強い希望ですので、どうかそのことで揉めることなく、今までどおり助け合って暮らしていってください。私は、みなの笑顔を何よりも望んでいます。

この場合のポイントは、身内だけの葬儀を行うことが、本人の強い希望であることをしっかり記載することです。

また、周囲に対する感謝の気持ちを記載することで、死後に残された者の気持ちを和らげることができます。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ