相続・遺言のすべてを分かりやすく。
コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(2)【参考例あり】

2015.12.17
文字サイズ:

前回付言事項の活用例として一部の相続人が抱く不公平感をなくすようにする工夫をお伝えしました。

今回はもう一つ、いさかいが生じやすい介護にまつわる兄弟間のトラブル防止のための付言事項の活用を考えてみましょう。

よくある「長男の嫁問題」

長男の方のお嫁さんは長男方の実家に一緒に住むことも多いですが、二世代で一緒に住む場合必ず介護の問題が生じます。

長男のお嫁さんは言ってみれば血のつながらない赤の他人の下の世話など肉体的、心理的な苦労をすることになります。

相談実務では介護を受ける側の方からの相談として、「苦労に報いたいが、相続人とならない長男の嫁さんには財産を残せますか?その場合他の兄弟から遺留分の権利行使を受けたり嫌がらせをされるのが怖い」というものが結構あります。

確かに自分の兄弟ならいざ知らず、その嫁となると普段付き合いもないので元から兄弟間の仲が悪いと尚更やっかみの対象になります。

この場合、長男嫁に対する財産の分配が他の兄弟の遺留分を侵害する場合はその権利行使に対する牽制として、侵害しない場合でも兄弟間の軋轢防止のために付言事項を利用できます。

介護のエピソードをできるだけ具体的に

ありがとう
他の兄弟は実際の介護がどういうものか想像もできないことが多いですから、どれだけ大変な思いをさせたか、苦労を掛けたか、その献身に心の底から感謝しているということを伝えます。

長男の嫁○○さんには赤の他人である私の介護をお願いすることとなってしまい大きな負担をかけてしまいました。でも○○さんは嫌な顔一つせず常に私のことを思って対応して下さいました。妻に先立たれた後、家のことが何もできない私に代わり炊事洗濯など全てこなしてくれました。また私が転倒し怪我をして立てなくなった時も身の回りの世話を一手に引き受けてくれ、一人では何もできない私の生活を支えてくれました。感謝してもしきれません。その苦労に報いるために右に記載の通り幾ばくかの遺産を遺贈したいと思います。二男、長女には言い分もあるかもしれないが、父は本当に○○さんに助けて頂き感謝しているのです。どうかこの遺言内容で皆が揉めたり、いさかいが起きることのないようにして下さい。父の最後のお願いです。

などと長男嫁への感謝の気持ちと遺贈する理由を書き記します。

上記には入れませんでしたが、各子に対する愛情や感謝の念も忘れずに記載して下さい。

長男嫁には感謝しているが、血を分けた子に対する愛情の念は特別なものですから、「充実した人生を送れたのは君たちのおかげだ、ありがとう。」という気持ちをうまく伝えるようにしましょう。

facebook発信中

相続のバイブルはfacebookページでも、見逃せない相続情報、ぜひ活用したいと評判のセミナー情報などを発信しています。
SNSのみの事例紹介やご相談も発信中。フォローお待ちしています。

相続のバイブルfacebookページ