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コラム

遺言書の「付言事項」活用のポイント(1)【参考例あり】

2015.12.16
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遺言書に書く内容は相続財産の分配方法がメインとなりますが、それだけでなく「付言事項(ふげんじこう)」という項目を設けて自由に気持ちを書き記すことができます。

付言事項の内容は法的な拘束力を持ちませんが、葬儀の方法など自分の希望を伝えたり、あるいは家族への感謝の気持ちなどを記載することができます。

この付言事項をうまく使えば相続に伴うトラブルや衝突を回避できるだけでなく、遺族に強い感動をもたらし、親族としての結束をさらに強めることもできます。

今回は2回にわたってこの付言事項の使い方を事例を交えてお伝えします。

遺留分の権利行使をさせない手段として

バラの花束
遺産の分配は必ずしも法定相続分で設定するわけではありません。

あなたの最後の遺志として、誰に何をどれだけ残すかは自由に決めることができます。

これを遺言書に記すわけですが、問題は各人には遺留分という最低取り分の保障があり、権利を行使されればあなたの遺言内容を実現させることはできなくなります。

誰か特定の人に多めの財産を承継させるために、他の誰かの遺留分を侵害する遺言内容となることは往々にしてあります。

遺産は現預金だけでなく不動産や動産もありますから、綺麗に均等分割がしにくい場合もありますし、お世話になった人、長年連れ添った配偶者に財産を集中させたいこともあるでしょう。

その場合でも遺留分を侵害してしまった人にその権利を行使させないために、そのような分配内容した理由と、遺留分を行使されないように情に訴える文面とします。

妻に全財産を残したい場合

相続人が妻と二人の子になる場合で目立った遺産が自宅の土地家屋しかない場合、妻の住処を残すためには遺産の割合を妻に集中させないといけません。

子らの遺留分を侵害するので、権利行使されると妻は住処を売却しなければなりません。

この場合

私の妻○○には介護や病気の世話など大きな苦労を掛けてしまった。年老いた○○には住み慣れた自宅を残してやりたいと思い自宅と土地を相続させるが、一郎、次郎よ、私の最愛の妻をよろしく頼みます。家族の思い出がいっぱいに詰まった我が家でいつまでも家族仲良く暮らしてください。これが父の最後のお願いです。皆くれぐれも体には気を付けて。父は天国で君たちを見守っています。

などとして、妻への遺産の集中によって子らが抱く不公平感をなくすように情に訴えた文面とすると効果的です。

ポイントは遺留分」という言葉を入れないことです。この権利のことを知らない人もいますし、あえて知らせたり意識させる必要もないので、言葉としては用いない方が良い場合が多いです。

※「長男の嫁問題」への活用事例を紹介した第2回の記事はコチラ→「遺言書の「付言事項」活用のポイント(2)【参考例あり】

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