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コラム

2017年税制改正で注目されている「相続税法の5年ルール」とは?(2)

2016.12.12
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前回の記事では「相続税法の5年ルール」の概要を解説しました。

これは2000年の税制改正で導入された制度ですが、これを皮切りに、富裕層を対象とする資産の取り締まりは強化されています。今回はその中でも、富裕層にとっては避けて通れない2012年の国外財産調書制度の導入2015年の出国税導入について説明します。

2012年の国外財産調書制度の概要

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「国外財産調書制度」とは、居住者(非永住者を除く)で、その年の12月31日において、その価額の合計額が5,000万円を超える国外財産を有する場合には、その国外財産の種類・数量及び価額その他必要な事項を記載した調書を、その年の翌年の3月15日までに、所轄税務署長に提出しなければいけないという制度です。この制度が導入されたことにより、国税当局は富裕層の国外財産を把握しやすい環境となりました。

ちなみに、国外財産調書を提出期限内に提出しておけば、国外財産調書に記載がある国外財産に関して相続税等の申告漏れが生じた場合であっても、その国外財産に係る過少申告加算税等が5%軽減されます。反対に、提出期限内に提出が無い場合又は国外財産調書に記載すべき国外財産の記載がない場合には、過少申告加算税等が5%加重されてしまいます。

また、国外財産調書に虚偽の記載等をした場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金といった重い罰を科せられる可能性があります。

2015年の出国税導入の概要

「出国税」とは、正式名称を「国外転出をする場合の譲渡所得等の特例(国外転出時課税制度)」といいます。

「国外転出時課税制度」とは、原則として、国外転出をする日前10年以内において、国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年を超えている者が、国外転出の時に所有等をしている有価証券等の価額等の合計額が1億円以上であった場合には、その有価証券等の譲渡等があったものとみなして、その有価証券等の含み益に対して所得税が課税されるという制度です。

今までの税制では、日本の非居住者となった後に株式等を売却した場合には、日本の所得税等の課税を受けることはありませんでした。これを利用すれば、多額の含み益を計上している有価証券等を所有していたとしても、日本から出国し非居住者となった後で、キャピタルゲインが非課税の国で有価証券等を譲渡してしまえば、比較的容易に税負担を回避することができていたのです。

この行為に歯止めをかけた制度がいわゆる出国税です。

出国税の制度が導入されたことにより、一定の者は、出国をする際に株式等を譲渡等したものとみなされるため、その時点で日本国内において課税されてしまうため、これまでの様な方法で租税回避を行うことができなくなってしまいました。

富裕層を取り巻く環境は?

以上を受け、昨今の富裕層を取り巻く税制は年々厳しくなってきています。

納める税金を少しでも低く抑えたい納税者と、税収を少しでも多く納めてもらいたい当局のやり取りはいたちごっこにも思えますが、1つ1つ抜け道を塞ぐ動きが際立っています。近年では、超富裕層プロジェクトチーム(PT)の発足に伴って、国税当局の富裕層への包囲網は如実に出来上がりつつあるといえるでしょう。

このような流れからも、2017年税制改正による「相続税法の5年ルール」の見直しは注目されています。次回の記事では5年ルールの改正により、どのような影響が考えられるかを見ていきたいと思います。

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