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コラム

2017年税制改正で注目されている「相続税法の5年ルール」とは?(1)

2016.12.8
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さて、突然ですが「相続税法の5年ルール」というものをご存知でしょうか?相続税法の5年ルールとは、日本国内において相続税や贈与税に影響を及ぼす可能性がある特別なルールを指し、2017年の税制改正において注目を集めています。

2015年の税制改正によって相続税の基礎控除が下げられたことはご周知の通りかと存じます。今まで相続税が課されていなかった世帯にとっても、以前に比べて、より多くの世帯に相続税の影響が出始めています。現在利用されている制度を正しく理解した上で現状把握することは、これからの税制改正に対応していくために必要不可欠と言えるでしょう。

そこで今回は相続税法の5年ルールの概要と経緯、今後の動向について見ていきましょう。

概要と活用例

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相続税法の5年ルールとは、資産を子や孫に承継する場合、日本国内において相続税や贈与税が課されないために、海外に住む場合の最低居住期間が5年超必要というルールをいいます。

要は、日本国籍を有する被相続人又は贈与者と、相続人又は受贈者の何れもが、相続が開始された日又は贈与が行われた日前5年間以上海外に居住していた場合には、日本国内に存在する資産のみが相続税又は贈与税の課税対象となり、海外に存在する資産は相続税又は贈与税の課税対象外となるというルールです。

このルールを知っている人(特に富裕層)は、このルールを利用することで日本における非常に高い相続税や贈与税の納税を回避することができてしまいます。

なぜなら、海外においては、日本と比べて個人に対する税金が非常に低い国や非課税の国があることから、国外に資産を移転してしまえば、本来日本国内において払うはずであった相続税や贈与税の納税をすることなく、子や孫の世代に資産を承継することが可能になるのです。

5年ルールに関する2000年と2013年の税制改正の概要

2000年の税制改正

2000年以前には、そもそも最低居住期間が5年必要というルール自体が存在していませんでした。そのため、国外に資産を移転さえしてしまえば、5年を待たずして低い税率又は無税で自らの資産を子や孫に承継させることができたため、資産を海外に移転する富裕層が増え続けていたのです。

そこで2000年の税制改正において、相続人の海外居住期間に「5年ルール」の縛りが設けられたのです。これにより相続人と被相続人がそれぞれ5年以上海外に居住している場合のみ、海外に存在する資産について日本国内における相続税は非課税とされました。

しかし、2000年の税制改正においても、外国籍の国外居住者に対しては依然として非課税扱いとされていて、これが一種の抜け道として利用されていました。

2013年の税制改正

そこで2013年の税制改正において、たとえ外国籍であったとしても、贈与を受ける時点から遡って、5年以内に日本国内に居住していた場合には、日本国内において課税対象となるように税制が変更されたのです。

そして、2000年の税制改正を皮切りに、富裕層を対象とする資産の取り締まりは強化されていきます。その中でも、2012年と2015年に行われた税制改正は、富裕層にとっては避けて通れないものとなっています。

それでは2012年と2015年の税制改正では何が行われたのでしょうか?次回の記事で詳しく解説していきます。

 

 

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